京阪中書島駅から徒歩約5分、近鉄桃山御陵駅から約10分歩いたところに、船宿「寺田屋」があります。
「寺田屋」は、幕末動乱期の「寺田屋事件」の舞台となった宿です。
もともと「寺田屋」は、豊臣秀吉が伏見城を治めていた頃に開業した船宿で、琵琶湖から京都、そして大阪へと
水上運搬の動脈路上にあったのが、江戸時代には、薩摩藩の常宿となり、また坂本龍馬も常宿としたことから、
幕末の混乱の中に巻き込まれていくことになりました。
2階には、龍馬の泊まっていた「梅の間」が今も残っています。
この部屋で龍馬は、薩摩藩と長州藩の主要人物と話し合いをしていたが、その最中に、宿を伏見奉行所に囲まれ、
その気配を、後に龍馬の妻となる「お龍」は感じ、入浴中であったがあわてて、風呂を出て階段を駆け上がり、
龍馬に逃げるよう告げました。このお龍の機転で龍馬は命からがら逃げ出すことができました。
これが、1866年「寺田屋事件」です。
その風呂場と階段は現在も残っています。
寺田屋の中にいると、今でも当時にタイムスリップしたような不思議な空気感が漂っています。龍馬や薩摩藩士と
ふと廊下ですれ違っても違和感を感じないほどです。
寺田屋は見学のみでなく、宿としても現在も営業しています。
幕末に龍馬が日本という国の進むべき行方をに案じながら歩いたこのエリア
伏見は地下水が良質であったこともあり、数多くの名水による酒蔵がさかんに行われました。
名水は数ヶ所ありますが、最も代表的な名水が「御香水」で、近鉄桃山御陵前の駅近くの御香宮の中に
にあります。なお、「御香水」は環境省の「名水百選」にも選ばれています。
御香宮の表門。もとは、伏見城の大手門であったのが、1622年に移設されました。
境内のわきにある御香水
寺田屋のすぐ近くに運河があります。
今も港がありますが、現在は十石舟の拠点となっています。十石舟で水路を案内してくれるのですが、
月桂冠をはじめとした風情のある酒蔵の建物を横目にゆったりと水上の時間を楽しむのは、たいへん
心地よく感じます。
月桂冠の酒蔵
十石舟の乗り場から北東徒歩5分で黄桜など、数多くの酒蔵があります。
黄桜のカッパカントリでは日本酒、ビールを中心としたアルコール類のが
店頭販売している他、食事をしながら出来立ての日本酒とビールを飲むことのできる
レストランが中にあります。
大手筋通りを西に向かうと途中に北川本家があり、その販売店では
日本酒の量り売りをしています。
さらに進むと赤い八角のレンガの煙突に黒っぽい壁の建物があります。これは松本酒造の建物で、
レトロでたいへん風情があります。この建物は「登録有形文化財」「歴史的意匠建造物」・・・
などに指定されています。
このほかにもたくさんの蔵元があり、その数は20社を超えていて、灘についで、日本で2番目の
蔵元の地域になります。
近年、レトロな街並みと伏見の酒を求めて、訪れる観光客も増えています。
観光客の増加に伴い、新鮮な酒といっしょに美味しい食事をいただける店も増えています。
龍馬の存在を感じながら、酒蔵の街を散策し、一息ついて伏見の酒を楽しんでみる。
そんな一日を過ごしてみるのはいかがでしょうか。
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