時代祭には有名な武将や幕末志士だけでなく様々な女性が登場し、行列を華やかに彩ります。
ここでは時代祭に登場する女性たちをご紹介します。
江戸時代婦人列
和宮(かずのみや)
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仁孝天皇の第八皇女で、江戸幕府第14代将軍徳川家茂の正室です。日本史で唯一、皇女が武家に降嫁し関東下向した例です。女嬬(お供)を従えて十二単(近世女御装束)を身にまとった姿が表されています。
大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)
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江戸末期の女流歌人。文筆だけでなく陶芸にも秀でていたそうです。後に出家し、連月と称したそうです。
中村内蔵助の妻(なかむらくらのすけのつま)
衣装比べにおいて婦人たちが色鮮やかな衣装を身にまとい競いあうなか、内蔵助の妻は白無垢に最上級の黒羽二重の打掛けという姿で現れました。しかしその侍女たちには他の婦人にも劣らない豪華絢爛な衣装をまとわせ、よりいっそう内蔵助の妻女を引き立てる演出をしたという逸話で有名です。
玉瀾(ぎょくらん)
画家・池大雅の妻で画人として知られ、また和歌にも秀でていたそうです。
梶(かじ)
玉瀾の祖母で、祇園に水茶屋を営んでいました。女流歌人としても著名で、歌集「梶の葉」を編みました。
吉野太夫(よしのたゆう)
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その美貌に加え、和歌や俳諧、琴、書道、茶道など数々の諸芸に優れ、人々を惹きつけて離さなかったと言われています。また、常照寺に山門を寄進したことでも有名。衣装は芸妓の頃のものです。
出雲阿国(いずものおくに)
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歌舞伎の創始者といわれている出雲大社の巫女です。
中世婦人列(ちゅうせいふじんれつ)
淀君(よどぎみ)
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豊臣秀吉の側室です。行列では桃山時代を代表する豪華な打掛に間衣、下着、小袖に刺繍の帯をしめ、扇を持った姿を見ることが出来ます。
藤原為家の室(ふじわらためいえのしつ)
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出家後「阿仏尼(あぶつに)」と称されました。「十六夜日記」の著者としても有名です。市女笠に虫の垂衣を垂れ、半足袋に草鞋を履き、道中安全を祈るお守袋をかけ、訴状を文杖に差しています。
静御前(しずかごぜん)
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源義経の側女として有名。ここでは白拍子時代の姿を見ることが出来ます。童女(わらわめ)が従い、絹傘を差しかけています。
大原女(おはらめ)
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洛北大原の婦人たちは頭に薪や炭を載せて京の町へ行商に出ていたそうです。
桂女(かつらめ)
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桂川をこえて鮎や飴を売りに、京の町へ行商に来る販女たちです。また、巫女の役割もあったそうで、婚礼や出産など家の祝い事に訪れることもありました。頭に巻かれた白い布は「桂包(かつらづつみ)」といい、皇后から頂いた布であったと伝わっています。
平安時代婦人列(へいあんじだいふじんれつ)
「平安時代婦人列」への参列は京都五花街の芸妓さんが担当されており、毎年五花街のなかの三花街の芸妓さんが交代でで参列されています。
巴御前(ともえごぜん)
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女武将として義仲と供に戦った源義仲の側女です。『源平盛衰記』より現した姿で、天冠や鎧を身に着け、太刀を帯に着け長刀を持っています。
横笛(よこぶえ)
建礼門院の雑仕で滝口時頼と恋に落ちましたが、時頼が出家した際後を追って尼になりました。行列では出家した時頼を尋ね嵯峨に行ったとき姿です。
常磐御前(ときわごぜん)
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源義朝の側室であり、源義経(牛若)の母です。ここでは、義朝の没後に、牛若ら3人の子を連れて六波羅に向かう時の様子が表されています。
清少納言(せいしょうなごん)
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「枕草子」の著者として有名な清少納言です。
紫式部(むらさきしきぶ)
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「源氏物語」の著者として知られる紫式部です。
紀貫之の女(きのつらゆきのむすめ)
袿(うちき)、単小袖(ひとえこそで)、濃紅の切袴を身にまとい、手に梅の小枝を持った姿を見ることが出来ます。
小野小町(おののこまち)
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才色兼備の女流歌人で、絶世の美女だったと伝わります。衣装は平安初期の特殊な姿で、当時の神像を参照して作られた装束だそうです。
和気広虫(わけのひろむし)
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多くの孤児の養育に励んだことが伝えられています。男女の弧児2名ずつを従え、還俗した時の姿で参列します。
百済王明信(くだらおうみょうしん)
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桓武天皇の御代に女官長として仕えており、当時の女官の最高位です。
白川女献花列(しらかわめけんかれつ)
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比叡山のすそ野の白川に広がる花畑の花を京で行商していました。平安時代中期から御所に花を届けていたと伝わっており、神前に供える花を頭に乗せて歩きます。
いかがでしたか?今回は時代祭に登場する女性たちをご紹介しました。時代祭をご覧になる機会があれば、「あぁ、この衣装は淀君だな?」なんてチェックしながら見れば楽しさも倍増ではないでしょうか?時代祭は毎年10月22日です。
このレポートはKYOTO-design監修の元、kyoto-tripが作成しました。
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